2014年10月1日水曜日

幸せさがし-69



 着付ぐらいと侮っている人も少なくないのですが、それは終極の目的が理解できていないからです。
人の命は朝露の如く消え去る短いものだと言われています。短く必ず果てて行く命だからこそ、華のある人生にしたいと誰もが願っています。
そのために懸命に勉強し、懸命に働き、結婚をして家族を慈しんでいます。全ての行為は生きるためであり、華のある人生にするためです。
その華は心の輝きです。言葉を変えれば心の潤い、豊かさのことであり、心の潤いは喜楽によってもたらされるものです。この人生哲学が理解できていれば、生きて行く目的は喜楽の追及であることがわかります。
飲食、お洒落、旅行など様々な娯楽は、お金さえあれば簡単に手にすることが出来ますので、多くの人がお金に執着します。
いくらお金に執着しても、使えるお金には限りがあり、節約しながら楽しみの方に回している人が圧倒的多数です。またお金で得られる喜楽は刹那的です。それが実態ですから、お金に執着すればかえってストレスが溜まってしまいます。
その点、お稽古事は無くても生活に何の支障もないものですが、お稽古で得られる教養を身に付けていれば、日常の生活に役立ち、何時でも喜楽を増幅させることが出来ます。
例えば、今日は主人と待ち合わせをして食事に行くので「着物でも着て行こうかなぁー」と思って、実行すれば洋服と違って目立ちますので、多くの人から注目され良い気分になれます。またご主人が奥さんの着物姿を見ればきっと喜んで誇らしげに手をつないで歩いてくれるでしょう。
お部屋を掃除してスッキリしたので、お盆点てでお薄を頂く、なんとも清々しいひと時ではないでしょうか。
教養があれば心掛け次第で、生きて行く目的である心の潤いを、日常生活の中で幾らでも得ることができるのです。
着付も根本目的は人生の充実に関わっているものですから、お稽古に来た限りは出来るように成っていただきたいのです。

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