2014年10月9日木曜日

幸せさがし-77

 性格や考え方がお稽古の成果に表れてきますので、教え方のマニュアルをただ進めているだけでは大きな成果は上がりません。
指導は正に道ですね。技能習得を通して、前向きな考えにシフトするように心の面に刺激を与える。そういう指導でなければ成果が上がらないのです。
ですから、私は「着技道○○学院」という商号にしていました。
道とは技能の道と人が守るべき条理を共に考えるということです。お金を稼がなければ学院は維持していけません。
お寺さんは決して自分でお金のことは口にしません。それと同じで月謝だけで成り立てばものが言いやすいのです。道とお金はそぐわないのです。
月謝だけでは経費で全て消えてしまうのが学院運営の実態です。
 ですから大手の着物学院は自社の小物を入学時にセットで販売しています。各学院オリジナルの新装小物と同じような形態の無印物は市販されていますが、学院オリジナルの物は大変高いのが実態です。
使用原理は同じですがオリジナル製品を各学院が作る、その理由は市販されていませんので値段設定が自由に出来るというメリットがあるからです。
私も長年芸能界で着付に携わっていましたので、こういう物があれば便利だという案は幾つも持っていました。小物をセットで販売してる学院は、入学者全員にセットで売れますので経営的には楽です。
そういうシステムも一つの経営法ですから、私も案を実用化させて使用しようと思ったことがあります。
ところが、小物制作は大量に作らなければ高くなります。大量に作ればそれを必ず売らなければ在庫になってしまいますので、これを使えば便利だと理由付けをして捌く手段を取ってしまうのは目に見えています。昔からの使用されている小物で着付けても、楽で、着崩れがなく、綺麗に、そしてその方が仕事も早くできることは私が一番分っています。それが分っていて、経営を優先させて新装小物を売りつけるのは道に反することだと考え、私は昔ながらの腰紐や小物を使ってお懐古していました。

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