2014年10月11日土曜日

幸せさがし-79

 学院といえども学校法人ではなく商号の一つにすぎない。事業である限りはお金儲けをしなければ成り立ちません。
だけども道を唱えている限りは、道理に反したシステムは私には抵抗がありました。
別に商売優先のシステムにしても間違いでもなく、違反でもありません。
現在でも何回か無料で教えますとテレビ宣伝をしている所があります。
何回かで上手に着れる筈がありません。現在は日本女性といえども自分で着物が着れなくても恥ずかしいという時代ではありません。そんな時代にお稽古するのであれば上手に着て、誇らしげに闊歩して良い気分を味わい、心の潤いに繋げるためにお稽古すべきです。その上手が3か月や6か月で出来ることは普通ではありえません。そんな簡単なものであれば着付教室が事業として頭から成り立ちません。
そういうことは分っていて無料を唱えるのは人集めの手段です。こういう策は別に違反でも何でもないのですが、簡単に出来るような錯覚を与えることは、募集の仕方としては好ましいやり方ではないと私は思います。あくまでも選択する方の責任なのですが、消費者が正しい判断をするには、正しい情報を流す責任が関係者にはあると思います。
美しく着ることは技能の問題ですし。楽で着崩れない着付、そして手早く出来るようにすることも、小物や道具は関係なく腕前の問題ですから、私としては道を唱えている限り、新装小物を制作して売るということはしませんでした。
それだけに何時までも貧乏学院でした。運営している限りは学院を大きくしたいと思う気持ちは強かったのです。そのためには宣伝費に経費を掛けなければいけません。学院運営で一番経費が掛かるのは宣伝費とテナント料です。知名度の高い、華やかさを感じる所に人は集まります。それを考えれば経費の掛けれるシステムにして、収益増進をはからなければいけなかったのですが、それが私にはできませんでした。経営者としては無能でした。

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