2012年7月22日日曜日

浴衣の着装とお手入れのアドバイス

昨日は芦屋の花火大会があったそうで浴衣を幾人かに着せました。
これからが夏本番で、各地の花火大会や、天神祭りなどもありまので浴衣をお召になる機会も多くなると思います。
そこでプロとして浴衣を着装する時のアドバイスをさせて頂きます。
浴衣は風呂上りの涼を取るためのくつろぎ着として着用されていましたので、男女共に素肌の上に直に着るのが浴衣本来の着装方です。
昔は浴衣ぐらいは何方も仕立てができましたので、シーズンが終われば解いて仕立て替えをしていました。最近はそのようなことが出来る人が少なくなっています。ほとんどの方はクリーニングにだしてしまいます。
クリーニングに出しますと糊けもなくなり浴衣のシャリ感がなくなります。またアイロンで押さえますので襟などはペタンコに薄くなってしまいます。
ですから少しでもクリーニングに出さないようにするために、浴衣を着装するときはワンピース式の肌着を下に着てください。
その場合、化繊の物は安価に買えますが、化繊のものは吸湿性が悪いことと、静電気が起きて裾捌きが良くないので木綿の物をお選びください。
肌着をきることによって、汚れを防ぐだけでなく着ていて裾さばきがよくなります。
真夏に浴衣を着ますと普通のきものよりは涼しいですが、暑いことは暑いです。
ですから暑さは仕方がないと割り切って美しく着装するために、ウエストだけは補正をしてください。
補正の仕方は若い人は普通の厚さのバスタオルを横三つ折りの幅に折って、ウエストの一番窪んでいるちころに巻いてください。巻き方はバスタオルは長いので、ヒップの上の腰の部分が一番窪んでいますので腰のところで交差して重ねて巻いて紐で押さえて置きます。
そうすることによって帯びが下がらなくなりますし、全体のシルエットが美しくなります。
次に浴衣の場合は襦袢を着ません。襦袢を着る場合は襦袢に衿芯を通して着装しますので、後ろの衣紋というのですが、抜いたところが綺麗な丸みになります。
その点浴衣は綺麗な丸みにはなりません。そこで衣紋の丸みを綺麗な丸みにするために、下前の襟の掛衿の裏襟先の部分の縫い目を解いて、そこに普段きものを着る時の衿芯を通して着装しますと綺麗な丸みになります。これはマル秘情報ですから是非お試しください。
下前の襟裏の掛衿の部分の衿芯が通るくらいに解いても、そのままの状態にしておいても大丈夫ですから安心してください。
但しこれは昔からの本仕立てをしている浴衣に限りできます。本仕立ての浴衣の掛衿は、同じ布を掛衿の部分の長さだけ、上から付けてありますのでそれができるのです。
浴衣も最近は安価な仕立て上がりものが主流になっています。仕立て上がりの浴衣は少しでもコストを安くするために、掛衿は本襟をつまんで、いかにも掛衿が付けられているように仕立ててある偽掛衿です。つながった一枚のものをいかにも上からもう一枚襟がかかっているように見せてあるだけですから、衿芯を通すことができません。
浴衣はほとんどが汗汚れだとおもいますので、ファブリーズなどで消臭と殺菌をして、風をよく通してからしまうようにしてください。できたらあまりクリニングに出さない方がいいです。

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