2011年12月12日月曜日

阿波踊りの女性の装い


阿波踊りの女性の井出は足は利休下駄に白足袋、裾は関東では蹴出しと言い、関西では裾除けという腰巻きを付けて、着物を短くたくしあげて着装し、襟には黒繻子の掛け襟をして黒繻子の帯を締めています。
江戸時代の文化文政期に「粋」という美意識が発生します。
この粋という美意識には享保の改革、寛政の改革と相次ぐ幕府の厳しい奢侈禁止令に対する町人の心意気が含まれています。
深川などの町芸者は高価な絹物の小袖に「こんなものはほんの普段着ですよ」とばかりに、小袖に黒の掛け襟をして心意気を装いで表しました。
襟は汚れやすいので汚れた場合には掛け襟だけを取り替えれるように掛けるものですが、それを絹物の贅沢なきものにも掛け襟をして心意気を表現したわけです。
その風俗が文化文政期に大流行をして礼装、晴れ着以外は黒襟をかけて着装するという装いが一般化しました。
時代劇を見ますと町人の女性は黒襟を掛けています。それと同じで阿波踊りの女性達も同じ装いをしています。
その装いは創作されたものではなく歴史を感じさせる装いです。

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