2011年12月5日月曜日

礼服と礼装

明治新政府が開府されてそれまでの武家の服制は全て廃止となります。
公家社会の服制も天皇家の諸行事用の服として残存しますが公の場では着用される事はなくなり、明治5年の衣服令によって服制が制定されます。
その結果明治15年に紋付羽織袴が通常礼服として復活しますが、それ以外は和服は全て廃されて洋服一辺倒になります。
  礼服には大礼服と通常礼服があり、武官着用のものと文官着用の衣服が制定されます。
戦後になって明治に制定された服制は改正されます。
戦前はフロックコートは文官の通常礼服でしたが、フロックコートは廃止され、その代わりとして本来は午前中にだけ着るものであったモーニングが通常礼服として用いられるようになります。
現在は第一礼服は燕尾服で第二礼服はモーニングになっています。盛装はタキシードです。
女性は第一礼服はロプ・デコルテです。昼はロプ・モンタントです。
盛装はアフターヌンドレス(昼)・イブニングドレス(夜)・カクテルドレス(夕方~夜)です。
  礼服と言うのは朝廷並びに政府における重大な儀礼時に着用する衣服ということです。
現在は朝廷における儀礼というのは一般人にはありませんので、政府主催の重大な儀礼の場で着用する衣服ということになります。
皇室の皆様は公の場には必ず洋装で出席さら和服は一切着用なさいません。それは明治に定められた衣服令に則って装いをされておられるからです。
明治を迎えて官職に就いていない一般の人は公の場に出ることはありません。しかし一般人にも重大な通過儀礼があります。その重大な儀礼の場には前時代の最高の衣服であった紋付の裾模様を儀式用として着用しました。
それが現在の留袖です。
礼装と言う言葉には礼服を着用した姿という意味と、儀式に最も相応しい衣服という意味があります。
 留袖は後者で儀式に最も相応しい最上の服ですから礼装もしくは正装と言われています。

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