2014年9月5日金曜日

幸せさがし-50

枚方宿




 その後、展示会では順調に売れましたので、自分で仕立ていては捌き切れなくなり、仕立屋も何軒か見つかりましたので、自分で仕立をすることを卒業しました。
そして教える事と、呉服と裏調達と仕立屋に運搬する仕事に専念しました。
私には大きな問題がありました。それは私自身の勉強です。
きもの学院と銘打って運営している限りは、学院の理念、そしてカリキュラム編成、教え方などをまとめ上げておかなければいけません。きもの学院の学院長は、学者ほどの専門知識を求められることはありませんが、長である限りは専門知識を深め、解説できるようにしておかなければいけません。
映画演劇の衣裳を担当していましたので、この時代の礼装、平服はどんなものであったか、その衣服をどう着付けるかは知っていましたが、人に教えることになれば、その程度のものではいけませんので勉強しました。
服飾史の教本を開きますと文字が大変難しくて読めません。例えば平安時代に上級の公家が着ていた上衣を袍(ほう=はう)と言います。その袍には武官が着用する闕腋の袍と文官が着用する縫腋の袍があります。武官の袍は「けってきのほう」文官は「ほうえきのほう」と言います。闕腋(けってき)は腋が縫い合わされてなくて下まで割れている袍のことです。縫腋の袍は腋が裾まで縫い合わされている袍のことです。
難しい文字が羅列されていますので、詳解漢和中字典で一語一語を引いてルビを振っていきます。
物凄く手間の掛かる作業ですが、そんなこと言っておられません。何とかしなければという使命感に燃えていましたので頑張りました。大変な作業でしたが、苦労だと思ったことはありません。
学者の書いた著書は憶測では書けませんので、形態の変遷のつながりが分りにくいので、憶測なども加えて少しでも分りやすいように、古代から現在まで服飾史を私なりに纏め上げました。
http://kitsukemeijin.jp で検索すれば見ることができますので興味のある方はご覧ください。

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