2013年9月11日水曜日

楽しみの検証-2

 お稽古に来られた人に、何のためにお稽古に来られたのですかと語りかけるようにしていました。
そうすると「着物を持っているけれども着れないから」と殆どの人が答えられます。
それは当面の目的であって、哲学的思考から乖離したものですから次に何故着れるようになりたいのですかと語りかけます。そうしますと答えに詰まってしまいます。恥をかかせてはいけませんので、「着れるようになれば時にはきもののお洒落も出来る」即ちその分楽しみが増幅すると思うから、着れるように成りたいのではないでしょうかと話します。
 中には結婚式や葬式の儀礼用のきものを自分で着れるようなりたいからと言う人もいます。そういう人には、現在は日本女性といえども着物が着れなくての恥ずかしいという時代ではありません。儀礼用の服を自分で着れるようになるには時間がかかりますので、そういう場合はプロに着せてもらう方が合理的です。こういう時代にわざわざお稽古するのであれば、自分できものを着て積極的にきもののお洒落を楽しんで頂きたいのです。
 着たいということの根本目的は楽しみの増幅です。何故皆は楽しみを求めるのか。楽しめば心の潤いに繋がるからです。人が生きていくうえで一番大切なのは心の潤い豊かさで、着たいという気持ちはそこに繋がっているのです

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