2013年5月27日月曜日

小袖と現在の着物の違い(着装)


 襦袢を着るようになるのは元禄期以降です。
それ以前は肌着として白の小袖を一番下に着装していました。
小袖が中心の時代になった当時の正式な小袖の着装方は、一番下に白の小袖を着て、中の小袖は無地の色物を、そして表の小袖は模様を配した小袖を着ていました。
これは十二単の重ね袿の着装に擬してそうなったものです。
図の女性の胸元を見ていただいたら分る通りに、男女ともに3~4枚重ねて着ています。それが通常でした。
 現在は留袖の礼装の時にだけ白の下着を重ねますが、昔は遊び女や富裕層の男女は、礼盛装や外出着を問わず常に重ね着をしていました。
 現在襟だけを重ねる重ね襟というのがあります。重ね襟は、重ね着をしているように見せるためのもので、襟だけを付けて重ね着をしているのと同じに見せているのです。
 重ね着は昔は礼盛装、外出、普段着を問わず重ねていましたので、どんな着物にでも重ね襟を付けても間違いということはありません。
しかし、昔は季節に応じて重ねたり重ねなかったりと調節をして着装していました。
 着付に行きますと胸元を華やかにするために、季節を問わず重ね襟を付けてくれと頼む人がいます。昔から春袷、秋袷の季節になると、重ね着をしないというのが慣習でしたので、重ね襟もその季節になればしない方がよいということを知っていてください。

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