2013年5月22日水曜日

昔の小袖と現在の着物の違い(裄)


 昔の小袖姿の図を見ていただければわかるように、肘から下が丸見えという状態で、裄は極端に短いのが昔の小袖の特徴です。
裄=肩幅(身頃)+袖幅で形成されています。現在は肩幅と袖幅は約1:1になっていますが、昔は袖幅が極端に狭かったのです。
それは図で示されているように現在の袖は1幅使うのですが、昔は1幅で袖と襟を取っていたからです。
今の反物の幅は9寸5分(36cm)ですが昔の反物の幅は42cmと広かったためです。これは表着は大袖でだったことに起因しています。
大袖の場合は同じように裁って袖幅に1幅足して1.5倍の幅にして仕立てていました。小袖は内着でしたので狭いままに使われていたものと思われます。
 映画や演劇では肘から丸見えというのは無様ですから、現在と同じような裄にしていますが、本当は元禄期以前は極端に裄が短いというのが真実なのです。


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